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私は今年35歳になる、IT系エンジニアです。 結婚相談所に入会し、そこで知りあった女性と、おととしの秋に結婚しました。結婚によって、どれほど私の生活、いや人生そのものが変わったかをお伝えしたく、図々しいとは思いましたが、投稿します。 わたしの体験がどれほど他の人の役に立つのかは、わかりません。ただ、もし私と似たような境遇で、似たような理由で、独身を続けており、本当は結婚も考えたいのだけれど、自分ではどうにもならない、といった状況に陥っているとしたら、この話はきっと、参考にしていただける部分があるでしょう。
社会人になったのは、バブルが弾けた直後、’92年でした。空前の売り手市場、大学を卒業しさえすれば、一部上場企業でも何とか入社できた時代です。就職氷河期がやってきたのは翌年、’93年以降でした。 文系それも文学部だったにも関わらず、私はなんとか国内コンピュータメーカに潜り込むことができました。どんな仕事がするのかもわからずに、「横文字がカッコイイ」とSE(システムエンジニア)を希望し、そのとおりに配属されました。当時は、本当にいいかげんでした。ところが・・・ 噂には聞いた人もいるでしょう、SEはとんでもない仕事でした。土・日がないどころか、夜中に電話がかかってくるのは当たり前、たまたま知りあった女の子とデートの約束をしていても、顧客のシステムでトラブルが発生して、ドタキャンすることもしばしばでした。
当然ですが、そんなことをしていれば、若くて元気で気の短い女の子はみんな、他の男のところに行ってしまいます。 仕事で知りあう女性はどうかというと、スキルも経験もない若造よりも、プロジェクトで権限をもっていて颯爽と仕事する先輩社員に興味を持ちます。 「そのうち、俺も同じ立場になれるさ」 そう思って、グッと我慢します。 ところがどうでしょう、自分自身が中堅社員となる頃には不景気で、新入社員の数はグーッと減ってしまい、部下になるのは何も知らない新人ではなく、自分よりも年が上で仕事経験も豊富な協力会社の社員や契約社員でした。 自分よりも仕事ができる年上の相手に、よく事情もわからぬまま、指示を出していれば、そのうち陰ではバカにされたり悪口を言われたりするものです。当然ですが、そんな環境で女性と知りあっても、恋愛をする気分にはなれませんでした。
気づいてみると30代も半ばになろうとしていました。それまではどんなに大食いをしても60キロ前後だった体重は、いつのまにか70キロを超え、鏡を見ると自分でもうんざりです。 数年前から恋人はいませんでしたが、かと言って女性への興味がなくなるわけではありませんから、キャバクラに通うようになりました。顔なじみになったキャバクラ嬢とプライベートでデートしたりもしましたが、お金めあてでつきあう相手と真剣につきあったり結婚を考えられるはずもありません。相手だってもちろん、真剣ではありません。お金と時間がなくなっていくばかりでした。
10年も勤めていれば、仕事の方ではそれ相応の責任を要求されるようになります。しかし、仕事の量と責任が増えていけばいくほど、それとは反対にどんどん、モチベーションは下がっていきました。 「本当にこれが俺のやりたかった仕事なのか?」 そんな考えがときおり頭に浮かびますが、もちろん「横文字がカッコイイ」だけで選んだ仕事ですから、本当にやりたいかどうかなんてわかりません。何がしたいのかをゆっくりと考える時間もなく、抱えている仕事に追われ続けていました。 最近、リストラでいくつかの部署が廃止されました。私の部署にも、中学生の子供がいるような年配の社員が、まったくの畑違いで配属されてきました。そんな人たちが、右も左もわからぬまま、入社数年の若者に仕事を押しつけられ、ミスをなじられているのを見るにつけ、「やはり勝手がわかっている今の部署で、仕事を続けるのが正しいだろう」と逃げ腰になってしまいます。自分が他の部署に異動して、若い社員から仕事を教えられたり、部下になったりしている姿を想像するのは、つらいことです。
結婚相談所の広告を見たのは、偶然でした。探していたわけではありません。休日にコンビニで買った雑誌を眺めていたら、目についたのです。 いかにもモデル同士といった美男美女が、お互いにもたれかかったり微笑みあったりしている、なんともわざとらしい写真が載っています。 「こんな美人が結婚相談所に入会するわけないじゃないか」 そう思いましたが、資料請求すると無料でビデオがもらえるらしいので、ちょっと興味が湧きました。結婚相談所そのものに興味があったわけではありません。結婚相談所の紹介ビデオというのがどんなものなのか、見てみたいと思ったのです。 ですから私が結婚相談所に資料請求したのは、まったく冷やかしに過ぎませんでした。入会する気など、ほとんどなかったと言っていいでしょう。 この時点での私の結婚相談所のイメージと言えば、
・自分で結婚相手を探すていどの恋愛能力もない人々をなんとか仲介して結婚させる業者 ・会員は、オタクやデブ(失礼、私もそうです)ばかり
といった感じでした。実際は全然、違いましたね。ま、なかにはすごい人もいましたが。
資料請求してから2・3日後、郵便でご紹介ビデオと入会申込書などが届きました。部屋でビールを飲みながら、そのビデオを見ていたちょうどそのときでした、資料請求した相談所から電話がかかってきました(今から思うと、絶妙のタイミングですね)。もちろん、勧誘です。 あまりまじめに話を聞くつもりはありませんでした(なにしろ、冷やかしでビデオが見たかっただけですから)。ですが、気になる一言を聞いてしまったのです。 「あなたの会社、ウチの法人会員さんですね。料金、割引になりますよ」 ビデオと一緒に届いた入会説明書をパラパラと見ていて、料金が高いな、と感じていたところだったので、ちょっと気になりました。正確な数字は忘れてしまいましたが、たしか、かなりの割引が効いたと思います(10万円くらい安くなったように思います)。 月割にしてしまうと、1万円を切るくらいの金額になりました。キャバクラに1回行くことを考えれば、半分かそれ以下の金額です。私は急に入会することをまじめに検討しはじめました。 そういう経緯で私は結婚相談所に衝動的に入会することになりました。
わたしの場合はツヴァイ
というところでしたが、他の相談所でも法人割引のようなサービスはあるのではないでしょうか? 結婚相談所への入会を考えている人はぜひ一度、そういった制度を確認されることをおすすめします。
大手だったらどこでも、サービス内容や費用はそんなに変わらないでしょうから、それなら割引がきいて少しでも安く済むところの法がいいでしょう(注)。
入会すると月に1回、女性会員の情報が送られてくるようになりました。氏名・身長・体重・生年月日・趣味、それに家族構成などが書かれていて、一次選別のための情報という感じです。 その情報をもとに、興味をひく相手とは直接、会いたい旨を担当のカウンセラーに連絡するわけです。
私が相談所に在籍したのは1年半ほどでした。その間に仕事で数ヵ月はまともにパートナー探しに時間がとれませんでしたが結局、合計で100名くらいの女性の情報を入手し、そのうち10名くらいの方にお会いしました。 会ってはみたものの、まったく会話が弾まずにただ黙々と食事をするだけで終わった人、こちらでは気に入ったが相手から断られた人(最初は立ち直るのに時間がかかります)、第一印象はよかったのだけど「友達」になってしまって「結婚」というムードではなくなった人、などなど様々でした。
ひとつ思ったのは、やはり結婚を考えるとなると、お互いに「気軽に話せる友人」以上の何かを感じられないとダメかな、ということです。つまり男として女としての魅力、恋愛がはじまるための何かがやっぱり必要だな、ということでした。これは必ずしも、外見だけのことを言っているわけではありません。出会った中にも、ちょっと見た目にはきれいな人・可愛らしい人は何人か、いました。でも「女」として「人間」として魅力を感じるか、ホレることができるか、というとそれはまた別のことです。 今まで生きてきた人生が、にじみでるような魅力となって現在の自分のオーラになっている人、いい意味で何か自分なりのムードを持っている人というのは、なかなかいませんでした(おかしなムードの人は、何人かいましたが)。
サイト管理人・注: この部分はあくまでM.Sさんの個人的な憶測であって、実際には各相談所でサービス内容やシステムは様々であり、費用体系もそれぞれ異なりますから、資料を取り寄せるなりして、きちんと比較することをおすすめします
妻に初めて会ったとき、それまで会った人たちとはまるで違っているのがひとめでわかりました。いわゆる「ビビッときた」というヤツです。
なぜこの人が結婚相談所に入会しなければならないんだろう?
サクラかな?
そう思いました。
かなりの長身でやせており、私が見てもわかるセンスの良さ、「大人の女性」という表現がピッタリです。
ちょっとムリかな?
そう思いました。これじゃ、私より条件のいい他の男性会員も放ってはおかないだろうし、それより普通に生活していても恋愛の機会がいくらでもありそうだ、と考えたのです。
そうした気になったためか、かえって開き直りというのか、必要以上に相手に気を使わずにすみました。渋谷で待合せをしたのですが、日曜だったのでどこも混んでいて、仕方なくデパートの中にある、さえない小さな喫茶店に連れて行きました。
店に入るとき、ショーウィンドウにおいしいケーキが並んでいるのが見えました。それで席に座るやいなや、
「ちょっとケーキを見てきていいですか?」と言って立ち上がったのですが、彼女も
「私も」
と言ってついてきました。実は彼女もケーキが大好きなのだそうです。
ケーキの話で打ちとけたためか、初対面にも関わらず、彼女は自分自身のことをとてもフランクに気取らず、話してくれました。
「毎日がとても退屈」
「誰かに、今の状態から連れ出してほしい」
正直、女性の方からこんなに自発的に話を聞かせてくれたことは、結婚相談所で紹介された相手以外を含めても、私の人生では初めてだったような気がします。
気がつくと、時が経つのも忘れて2時間以上、結婚とは関係のない、どうでもよいような話を夢中になって話していました。それまで結婚相談所で知りあった相手の場合には、次につなげるための努力を意図的にしなければいけませんでしたが、彼女とは自然に、
「じゃあ今度は・・・」
という感じになっていました。考えてみれば、一緒にいて楽しければ、もっと一緒にいたいと思うのは自然なことでした。きっと彼女の方も私といて楽しいと思ってくれたのでしょう。
不思議なもので、その頃には彼女の容姿はあまり気にならなくなっていました。最初、出会ったときに感じた引け目のようなものはなくなっていたのです。
それから、いろいろとありましたが、やがて彼女の方から、
「今度、ウチにきて親に会って」
と言われました。本当は男の方からプロポーズすべきなのでしょうが、まあ結果オーライとしましょう。
まとめようとしてまとまる話でもありませんが、次のようなことは言える気がします。
■年をとればとるほど、仕事の量とそれにかかる時間は増えていき、プライベートな自分を表現できる時間は減っていく。しかし本来、人間の魅力とくに異性に対して感じる魅力は主にプライベートな部分によることが多いような気がするので、意図的にそうした自分が出せるよう、努力する必要がある。 ■「結婚」は社会的な契約ではあるが、その前に感情で成立する「恋愛」がないと、単なる形式や義務になってしまう(それ以前にお互い、「結婚したい」とは思えないかも)。
とかく年をとると「結婚」そのものに目が行ってしまい、それだけを目標にしてしまいがちです。でも実は「結婚」は「恋愛」の結果であり、まず「恋愛」からきちんとはじめないとダメだ、という気がします。 ところが困ったことに、年をとればとるほど、恋愛には臆病になり億劫になってしまうものです。恋愛のない生活がパターン化してしまうと、自分の意志だけで状況を変えるのはかなり難しいでしょう。そうした生活を変えるきっかけを作るためには、結婚相談所というのはとても効果があったな、とあらためて思います。
結婚して、いろいろなことが大きく変わりましたが、なかでも自分自身に対する考え方が変わったな、と思います。 今からふりかえると、昔の自分の行動というのは、だいたい、その場の雰囲気や周囲の目に左右されていました。その結果として、実は仕事にしても重要なもの・そうでないもの、将来につながる仕事・その場かぎりのやっつけ仕事、他人のための仕事・最終的には自分のためになる仕事、などなどの区別がつけられずに、すごく損したり遠回りしたりしていました。
人間というのは「他人に迷惑をかけなければよい」という気持ちが働くのか、自分ひとりで生きているうちは、どんどん自分に不利な条件を引き受けて我慢してしまう生き物のようです(私だけでしょうか)。そうして背負い込んだ「約束」やら「義務」に縛られて「本当の自分」を無視するクセがついてしまうのです。 「結婚」はまず、プライベートな「恋愛」としてはじまるので、この「自分を無視するクセ」を治さないと、いつまでたっても「結婚」にあこがれるばかりで、一向にそこにたどりつけないのではないでしょうか?
結婚したことで、自分ひとりのための人生ではなくなりました(どこかで見たような文章ですが、本当なんですよ)。そうすると、今までのように「自分のことだから、他人に迷惑がかからないから、まあいいや」と妥協しているわけにはいかなくなったのです。私の失敗や不幸は、大なり小なり妻にも影響を与えます(妻は「他人」ではありませんが)。その結果、私は妻を大事にするにはまず、自分自身を大切にしなければならなくなったのです。これが、結婚して一番、大きく変わったことです。私のパートナーであり、ファン(?)であり、最大の理解者である妻を幸せにするために、私は「自分を大切にする」ことにしたのです。
長いこと、惰性で居座りつづけた今の所属部署に異動願いを出しました。新しい部署は、右肩上がりで経済成長を続ける中国との取引を開拓していく任務をもった、できたばかりのこれからの部署です。もともと外国とのやりとりに興味があったのですが、英語に自信がなかったので、思い切って異動する気になれなかったのです。今、新入社員に混じり、会社の英会話クラスを受講しています。一番、初心者向けのクラスでがんばっています。
わたしの話はこれで終わりです。つまらない話を長々と書きましたが、どこか一部分でも結婚に悩む方たちの役に立てばいいな、と思います。
これから結婚する方に一言。
結婚はあなたの生活すべてを予想できないほど、変えていくことでしょう。それが良い変化なのか悪い変化になるのかは、あなたがどれほど相手のことを大事に思えるかにかかっています。だから「形としての結婚」でなく、まず「気持ちとしての恋愛」からはじめることが大切だと思います。 |